
- 開催予定
- 展示室2
棟方志功「いろは板画柵屏風」公開
- 会 期:
- 2025.10.07(火) - 2025.10.19(日)
- 時 間:
-
10/7(火)~9(木)・10/15(水)~19(日)10:00ー20:00(入館受付は19:30まで)
10/10(金)~14(火)9:00~20:00(入館受付は19:30まで)
※開館時間ご注意ください。 - 休館日:
- 会期中はなし
第32回見附市展関連展示として、今年2025年に見附市に寄贈された棟方志功「いろは板画柵屛風」を特別公開します。
棟方(むなかた)志(し)功(こう)(1903年-1975年)
棟方志功は、明治36年(1903年)9月5日、青森市で鍛冶屋を営む棟方幸吉・さだの三男(9男6女)として生まれた。幼い頃から弱視というハンディがあったが、周囲から「絵馬鹿」と呼ばれるほど絵を描くのが好きな子供であった。尋常小学校卒業後、家業を手伝い、また青森地方裁判所の給仕などをしながら油絵を独学。雑誌で見たゴッホの作品に衝撃を受けて本格的に画家を志し、大正13年(1924年)に上京。毎年帝展に油絵の出品を重ねるが落選し続けた。帝展に油絵が初入選した昭和3年(1928年)、同郷の下沢木鉢郎の紹介で平塚運一と出会い、版画をはじる。そして第11回国画会展に《大和し美し》を出品。柳宗悦をして、「国展に化け物があらわれた」と言わしめるほどの衝撃を与えた。柳宗悦・河井寛次郎・濱田庄司など民芸運動の人々との出会いは、棟方の世界を一段と飛躍させた。昭和13(1938)年35歳の時、第2回文展に《勝(しょう)鬢(まん)譜(ふ)善知鳥(うとう)版画(はんが)曼荼羅(まんだら)》を出品し、官展への版が出品作として初めて特選を受賞。戦後も次々と作品を発表し、昭和30(1955)年ブラジル第3回サンパウロ・ビエンナーレ版画部門最高賞、昭和31(1956)年イタリアヴェネツィア・ビエンナーレ版画部門で国際版画大賞を受賞。日本のみならず世界各国で高い評価を受け、昭和45(1970)年には文化勲章を受章。昭和50(1975)年に逝去するまで旺盛な制作活動を続け、比類なき棟方芸術を作り出した。
見附市に寄贈される《いろは板画(ばんが)柵(さく) 六曲一双屛風(ろくきょくいっそうびょうぶ)》は、裏彩色作品が東京・日本民藝館に確認されている。(昭和27(1952)年第1回日本国際美術展出品作)本作は、彩色作品と対となる墨摺りの屏風作品で、県内では唯一の所蔵と思われる。
いろは板画柵屏風」は、1952(昭和27)年毎日新聞社主催の第一回日本国際美術展に出品された、いろは四十八文字に「ん」を加えた仮名を一文字ずつ版画にし、屏風一扇(屏風の画面1枚)に四文字ずつ十二列に貼り交ぜた六曲一双屛風。(六枚の画面が六曲。一双は六曲の屏風が二枚ある形式をいう。)
墨地に白抜き文字と白地に墨文字を市松模様に配置し、背景の地に右列から「松・梅・桜・菖蒲(しょうぶ)・牡丹・朝顔・撫子(なでしこ)・桔梗・小菊・薄(ススキ)・山葡萄(やまぶどう)・侘助(わびすけ・椿)」と十二ヶ月の花札模様が施されている。
いろはの文字の内側にも細かい点や線が彫り込まれ、いろは歌の意味と同時に文字そのものを装飾的に表現した作品と言える。見附市に寄贈される《いろは板画柵 六曲一双屛風》は、裏彩色作品が東京・日本民藝館に確認されている。(昭和27(1952)年第1回日本国際美術展出品作)本作は、彩色作品と対となる墨摺りの屏風作品で、県内では唯一の所蔵と思われる。
棟方志功「いろは板画柵屛風」