展覧会

  • 終了
  • 2階フロア

市川和英 正面性の諸相 The aspects of frontality

会 期:
2022.12.20(火) - 2023.01.29(日)
時 間:
10:00ー22:00(入館受付は21:30まで)
休館日:
毎週月曜日

長岡市で生まれ、小中高の時代を見附市今町で過ごした埼玉県在住の現代美術作家の展覧会を開催。地元では初めてとなる個展では、抽象平面の大作を中心に展示します。
市川は高校卒業後進学のため上京しますが、関心は美術へとシフトしていきます。入学した創形美術学校では70年代の現代美術シーンに触れ、様々なジャンルの新たな表現を体感します。そして、20代の体験を批判的に踏まえつつ、抽象美術について深く考えていくことになります。初期の作品は、鉄板を素材とした立体を屋内外で展開、アメリカのミニマリズムの作家、特にドナルド・ジャッドの作品や考え方にインスピレーションを受けました。ジャッドの作品は、古いヨーロッパ芸術から離れ単純な形体の繰り返しから生まれる空間の変化を目的としていましたが、実はジャッドの言う「絵画的フォーマットからの離脱」という言説から、市川は逆説的に絵画の可能性を追究するヒントを得たようです。1994年 新潟市野外彫刻大賞で優秀賞を受賞した「風景の瞬間」発表後、市川の作品は徐々に平面的なものへと移行します。正確さと規則性のある幾何学形態に重点を置いた線と面の作品は変化を続ける一方、側面から見たときの変則的な立体感や色面には機知を感じます。絵画的でありながら立体も感じるバランスの均衡、鑑賞者に様々な思考を提示する市川の作品は、空間を浄化し清々とした場を作り出すことでしょう。


風景の瞬間1994年 新潟市野外彫刻大賞 優秀賞/新潟市営庭球場エントランス設置
Stainless Steel Plates,Pipes H約330㎝


Chameleon(blue2)2014 32×32×7㎝ Photo平松 莊

プロフィール:市川和英Kazuhide ICHIKAWA
1953 新潟県長岡市生まれ。小・中・高の時代を見附市で過ごす。1972 新潟県立長岡高等学校卒業。1973 早稲田大学社会科学部中退。1978 創形美術学校 造形科 卒業。現在、埼玉県在住。
<個展>1978藍画廊(東京都)。1980,1986田村画廊(東京都)。1981駒井画廊(東京都)。1981,1985,1987真木画廊(東京都)。1984 野外イヴェント“多摩川計画-The Tamagawa LandscapePlanVol.1”多摩川JR日野橋付近河川敷(東京都)。1986埼玉県立近代美術館/一般展示室(埼玉県)。1988,1989,1991 “Landscape Plan”ときわ画廊(東京都)。1990馬頭町たばこ倉庫ホール(栃木県)。1992,1993,1994“Landscape Plan Between Fiction And Reality”ときわ画廊(東京都)。1995“風景の題名”ときわ画廊(東京都)。1998さまざまな眼95“TORSO” かわさきIBM市民文化ギャラリ-(神奈川県)。2002“Edge(エッジ)”トキ アートスペース(東京都)。2006ギャラリー檜(東京都)。2008ギャラリー現(東京都)。2013人形町ヴィジョンズ(東京都)。2017色彩美術館(東京都)。
<主なグループ展・その他>1977いりくんだあみのめ展Ⅰ神奈川県民ホール(神奈川県)。赤坂OAGホール田中泯企画による舞踏に舞手として参加(東京都)。1978いりくんだあみのめ展Ⅱ神奈川県民ホール(神奈川県)。1981 “OPERA”展 東京都美術館(東京都)。1988.1989, 1990,1991 多摩川福生野外美術展 福生市南公園ほか(東京都)。1988青森EXPO’88青函博記念現代野外彫刻展優秀模型作品(青森県)。1992 大町野外美術展(長野県)。1993 木曽福島野外美術展(長野県)。1994 新潟市美術館野外彫刻大賞展[優秀賞]新潟市営庭球場エントランス設置(新潟県)。2001-2016 ABST展 ヨコハマ ポートサイドギャラリー、ヒノギャラリー、人形町ヴィジョンズほか(神奈川県、東京都)。2012-2022 “Art Geo Construi” Gallery TURN AROUND、仙台フォーラス(宮城県)。2016 「登米アートトリエンナーレ」サトル・サトウ・アート・ミュージアム(宮城県)。2017 「表層の冒険-抽象のアポカリプス」ギャラリー鴻(東京都)。2017.2018, 2019, 2020,2022「八色の森の美術展」池田記念美術館(新潟県)。