展覧会

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  • 常設展示室

木下晋 明日へ

会 期:
2022.09.03(土) - 2022.10.02(日)
時 間:
10:00ー18:00(入場受付は17:30まで)
休館日:
毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)

新潟にゆかりある作家として、木下晋の展覧会を開催。細密な鉛筆画で対象となる人物を突き詰めて描いていく作品を多く制作し、国内外で活躍する作家である。2020年から続く新型コロナウイルスの猛威に、私たちは時には息を殺し自らの行動を制限して何とか日々を暮らしてきた。このような時代に、モデルへの真剣な眼差しに満ちた真摯な作品を市民を始め多くの人々に紹介することにより、明日への静かな強い祈りや希望、深い愛を感じてほしいと考えている。
作家は若い頃新潟に暮らした。新潟に降り立った理由の一つは、中学生の時に彫刻を教えてくれた富山大学教育学部の教授を務めた彫刻家大滝直平が新発田市出身であったことも起因しているという。新潟市ではパン屋勤務や画塾を運営し、県内の画家やコレクターとも親交を深めた。現在も、折に触れ新潟県内を訪れる木下は、最後の瞽女小林ハルや佐渡市の友人の母親など新潟にゆかりある人物を描いてきた。そして今、23歳の頃に結婚し、以来苦楽を共に生き抜いてきた君子夫人を介護しつつ描く生活が続いている。本展では、20代を過ごした新潟や故郷富山で描かれた初期の油彩画や、作家の美術の原点とも言える彫刻作品、また家族の肖像を中心とした10Hから10Bの22段階の濃淡を駆使して描かれる鉛筆のモノクロームの階調の美しさと鉛の鈍いきらめき、肉眼では見えないしわまでが魅力的に表現された鉛筆画の大作を中心に展示する。

入場料:一般500円(高校生以下無料)*障がい者手帳・療育手帳をお持ちの方、および
一部の介助者は無料。(受付でご提示ください)
前売券(一般400円)発売 期間:8/2(火)~9/2(金) 販売場所:みつけ市民ギャラリー・池田記念美術館・NSG美術館・砂丘館・新潟絵屋・新潟日報メディアシップえん
主催:見附市 後援:新潟日報社 協力:BSN新潟放送・中之島美術館・池田記念美術館・NSG美術館・砂丘館・新潟絵屋 協賛:新潟日報美術振興財団


「自画像76」1976 油彩・カンヴァス 652×455(個人蔵)


「視るⅠ」1992 鉛筆・ケント紙 730×1030㎜


「耳で見る」2015 鉛筆・ケント紙 760×515

1947富山県に生まれる。
1963(16歳)作品「起つ」を自由美術協会に出品、初入選を果たす。1969(22歳)8月村松画廊での初個展で、評論家・瀧口修造と出会う。1970(23歳)新潟に転居。1975(28歳)木下晋油絵展(現代画廊・東京 ’77 ’79 ’81’83 ’85)。1977(30歳)新潟から東京へ移転する。1981(34歳)最後の瞽女小林ハルに出会い、83年モデルとして制作を開始。1989(42歳)注連寺に籠り天井画本図を描き上げる。1992(45歳)9月念願であったニューヨークでの個展が実現する(キーンギャラリー)。1997(50歳)「木下晋 えんぴつの世界 1981-1997」(池田20世紀美術館・静岡)。1999(52歳)東京大学大学院工学系研究科建築学専攻非常勤講師(造形基礎)となる。2001(54歳)武蔵野美術大学造形学部油絵学科非常勤講師となる。「スタンダート展」(直島コンテンポラリーアートミュージアム・香川)。2004(57歳)「六本木クロッシング:日本美術の新しい展望2004」(森美術館・東京)。2005(58歳)桜井哲夫をモデルに制作開始。2009(62歳)金沢美術工芸大学大学院博士課程専任教授となる。2010(63歳)「瀬戸内国際芸術祭2010」(豊島・香川2013も)。「もうひとつの木下晋―ヒエログリフダイアリー」(金沢美術工芸大学アートギャラリー・石川)。2011(64歳)3月に起こった東日本大震災の被害を目の当たりにし、新たに「合掌図」の制作を行う。2012(65歳)「木下晋展 祈りの心」(平塚市美術館・神奈川他2館巡回)。2013(66歳)「木下晋展 生命の旅路」(原爆の図丸木美術館・埼玉 2014に沖縄県立博物館・美術館・沖縄巡回)。2015(68歳)教科書「高校3年・美術」(日本文教出版・三村図書刊)に制作風景と作品が掲載される。2016(69歳)「エッケ・ホモ―現代の人間像を見よ―」(国立国際美術館・大阪)。2017(70歳)ヨコハマトリエンナーレ2017(横浜美術館・神奈川)。2019(72歳)初の自伝『いのちを刻む[鉛筆画の鬼才・木下晋自伝]』(藤原書店)刊行。NHKEテレETV特集「日々・われらの日々 鉛筆画家木下晋 妻を描く」放送。2020(73歳)「コレクションー現代日本の美意識」(国立国際美術館・大阪)。目黒区美術館公式YouTubeチャンネルにて「鉛筆画家・木下晋 コロナ禍につなぐ命のバトン」など3作を公開。2021(74歳)NHKEテレNHK「高校美術講座」出演。 2022(75歳)「LOVE&LIFE コレクションより愛をこめて」(新潟市美術館・新潟)
東京大学工学部建築学科講師、武蔵野美術大学造形学部油絵科客員教授、新潟薬科大学講師、金沢美術工芸大学大学院専任教授を歴任したほか、現在は金沢美術工芸大学名誉客員教授と日本大学大学院芸術学研究科非常勤講師を務める。

パブリックコレクション
東京国立近代美術館 国立国際美術館 福岡市美術館 神奈川県立近代美術館 富山県美術館 石川県立美術館 新潟県立近代美術館・万代島美術館 新潟市美術館 宮城県美術館 平塚市美術館 沖縄県立博物館・美術館 他10数館 

現在、パーキンソン病の妻をモデルにした作品の制作を続けている。


「流浪」1981 鉛筆・ケント紙 1030×730(個人蔵)


「かたらい」2018 鉛筆・ケント紙

イベント:木下晋ギャラリートーク
2022(令和4)年9月3日(土)14:00~15:00 2階フロア
定員80名(先着順) 要申込みギャラリーみつけ(0258-84-7755)まで 8/28(日)申込み〆切り
*参加には観覧券が必要です。

関連展:2022・10/29(土)~12/23(金)
「驚きの鉛筆画 木下晋の絵本原画展」池田記念美術館にて開催
入館料:大人500円(高校生以下無料)
 〒949-7302 新潟県南魚沼市浦佐5493-3八色の森公園内
 ℡025-780-4080